六年生の分数の単元の中で、児童が発表した2つの答えを比べるために
17/42と23/35の大小を比較する時がありました。
どちらが大きいか計算せずにわかる方法はないかという先生の問いかけに一人の児童が
17/42は1/2より小さいが23/35は1/2より大きいから23/35の方が大きいと答えました。
これはすばらしい方法ですし、応用の利く方法です。
授業の最後に私は以下の説明を加えました。
1/42 <1/35 であり、
17<23 である。
小さい数同士を掛けた結果は大きい数同士を掛けた結果より小さいから
(1/42)×17<(1/35)×23
当たり前に思っていることを使って直ぐにはわからなかったことを説明することにより、その当たり前に思っていることがはっきりと認識でき、それをいろいろな場面で応用できる能力を身につけると思います。
児童が述べた方法やこのような方法で大小関係を常に意識して数を眺めるのは重要なことと思いました。
上の式はもう一つ式を挟んで
(1/42)×17<<(1/35)×17<(1/35)×23
とした方がもっと分かり易かったかもしれません。
植村
五年生の、小数かける自然数の授業をお手伝いしてきました。
教科書は学校図書ですが、導入問題として、次の問題が挙げられています。
1mの重さが2.3gのはり金があります。このはり金4mの重さは何gでしょうか。
この問題を解きながら計算方法を学習した後、筆算(縦計算)を用いて解く練習問題に入りますが、不思議な現象が起きました。
3.2×3や1.8×2などは、正しく解けるのに、0.6×7や0.3×8を次のように間違える児童がいました。
0.6 0.3
×4 7 ×2 8
――― ―――
28.2 16.4
0.6×7を求めるのに、6×7=42と4×7=28を、
0.3×8を求めるのに、3×8=24と2×8=16を計算しました。
導入の問いから、かけ算を2回用いて答えを求めると、解釈したようです。
習熟度別で、時間をかけて丁寧に学習するクラスでしたが、20人足らずの児童のうち3人がこのように間違えていました。
私は、教科書の導入問題に問題点があると思います。
小数掛ける自然数を導入する場合には、2桁×1桁になる計算ではなく、1桁同士の計算で、かけ算法にあまり気をとられない問いを用いるべきです。
0.1を単位にする計算、数直線を用いる説明、いずれも1桁同士の計算のほうが説明が容易で理解しやすいものです。また、これまでに何度も用いてきたものです。
0.6×7と6×7の関係があやふやでは、小数を用いた計算は正しくは理解できません。
植村
ブログのテーマとは少しずれますが、私が気に入っている数学クイズを紹介します。
最初、知ったのは中学か、高校の頃だと思います。簡単だなと思いました。
大学に入った後ふと思い出してなかなかよい問題だと思いました。そして、少しして実にすばらしい問題だと思いました。
地球上の地点で,南に1km進んだ後、東へ東へと(同一緯度上を東へ)1km進んだ後、北へ1km進んだら、もとの地点に戻った。そのような地点はどこでしょうかと言う問いです。ほんとかどうか知りませんが、マイクロソフト社の入社試験にも用いられたという噂があります。
考えてみてください。 植村
5年生の割合の学習をお手伝いしてきました。6年生の学習でも感じたのですが、もとにする量と、くらべられる量がうまく把握できない児童が多いようです。黒板に、もとにする量・比べられる量・割合の関係式を貼って学習していますが、なかなか理解できない子が相当います。百分率を習った後なのですが、すぐに、この3者の公式に持って行くのではなく、100%を表す数字や言葉を文章から求め、表を作成して解く手法があるのではないかと思いました。
学校図書5年生の教科書ではパーセントの定義は次のようになっています。
もとにする量を100としたときのくらべられる量で、割合を表すことがあります。この表し方を百分率といいます。小数で表された割合の0.01を1パーセントといい、1%と書きます。
私は、もとにする量を100にすること、すなわちもとにする量は100%であることをここではっきり認識させ、問題を解くときにも、常にどれが100%かを考えるようにすれば、もとにする量も、より容易につかめるのではないかと思います。
くじをつくっています。当たりくじを全体のくじの5%にします。くじを80本作るとすると、当たりくじは何本にすればよいでしょうか。
このような問いに対し、もとにする量はどれ?と尋ねるのではなく、100%になるのはどれ?と尋ね、
くじ全体 当たりくじ
100% 5%
80本 ?
という表を作成させて考えさせれば、公式を暗記してそれに数値を当てはめるという学習から脱却できるのではないかと考えます。
植村
九九を完全にはまだ覚えていない2年生の別室での指導をお手伝いしました。
クラスの多くの児童はほぼ覚えたようですが、その子は、6,7,8の段がまだ完全ではありませんでした。
各段を1から9までの上りと9から1までの下がりを10秒以内に言えて、さらにその段の九九を先生がランダムに告げたものもすべて正しく言えて合格のようです。その子は、6の段はランダムがまだ出来ないということでした。
しかし下がりの九九もいくつか間違え、すらすらとは行きません。
6の段を復習することにしました。
まず、掛け算の概念を正しくイメージさせる必要があると思いました。
そこで、黒板に、縦9行、横6列の○と数字を下のように並べました。
1 ○○○○○○ 6
2 ○○○○○○ 12
.
.
.
9 ○○○○○○ 54
児童はこれを見ながら何度か6の段を唱えました。その後で、最後の6から54までの数を消しました。
そして改めて6の段の上り、下がりを唱えさせました。
ロクシチ 24 になったり、ロクシ 42 になったりしていました。
これは、九九の発音が似ていること、さらに答えがニジュウシとシジュウニで数字が入れ替わっていて、発音も似ているという間違えやすい要素があります。
私が6の段の九九をランダムに告げて答えさせてもロクシとロクシチは間違ったりしますので、
黒板に
6×4
6×7
と書いて、
私が棒で指した方を答えさせました。
1,2分練習したら間違えなくなりましたので、
さらに
6×6を追加して書き、 この3つで練習しましたがそれらも間違えません、そのうちに
6×7を指したら、”ロクシチ”も唱えずに”シジュウニ”と答えましたので、もう十分と考え、
6の段の下がりを唱えさせました。
見事9秒で唱えることが出来ました。
ランダム練習は、黒板に6の段の九九の式6×1、6×2、…、6×9を書いてそれを棒で指して答えさせました。それもすらすら出来るようになりました。
チャイムが鳴ったので教室に戻り、休み時間になっていましたが、友達、担任の先生の前でもう一度下がりを唱えました。私は、はらはらし、うまくいくように祈っていましたが、今回も正しく唱えられ、先生からもほめてもらえてうれしそうでした。
7の段、8の段も直ぐに出来るようになるでしょう。
既に相当の時間をかけて練習していたことが良かったのだと思いますが、口で唱えるだけでなく、視覚を用いて掛け算をイメージすること、式を見て唱える練習など、多くの感覚器官を用いて覚えるのがよいと思いました。
植村