算数教育

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引っ越しました

植村です.
長らくお世話になりました.
都留文科大学を退職後も研究活動,普及活動を続けるためにNPO法人幼児算数教育研究所を設立しました.
今後はそちらを御覧下さい.

特定非営利活動法人幼児算数教育研究所
植村憲治

URL:http://lab-meyc.com/
ブログ:http://lab-meyc.com/blog/

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概念理解の定着

円周と直径と円周率の学習のことです.私がお手伝いした日には,茶筒に糸を巻いて円周を測り,物差しで直径を測るなどという作業をする学習は前回までに終了していました.直径や円周の長さが与えられて,円周や直径の長さを求める学習です.

先生は黒板に”円周=直径×円周率”と板書した後,児童にプリントの問題を解かせます.
ごく普通の指導法です.

しかし当時の私には,なにか上手く表現できない疑問が残っていました.前回までに学習した内容の”円周=直径×円周率”を児童に確認させて新しい問いを解く.何の問題も無いようです.

前回学習したことを黒板に書く.これはどのような意味を持つのでしょう.
児童の理解能力にもよるでしょう.
 優秀な児童にとっては獲得した知識の確認でしょう.
 一番まずいのは,今日のプリントの答えを書くために用いるだけの式になっている児童への対処です.
 将来,数学は暗記する科目と認識する可能性があります.
また,円周と直径ましてや円周率の定義も定着していない児童もこの段階では存在します.

茶筒の周囲と直径を測ったり,一輪車の直径と1周分の長さを測った時の学習を思い起こして,円周と直径の関係と円周率を確認する指導が必要ではないでしょうか.


黒板に関係式を板書する代わりに,茶図筒と,筒を一回りさせたひもなどを見せて作業時のことを思い出させ,児童自身に円周と直径,円周率との関係式を答えさせるなどの方法が考えられないかと思います.

                                                    植村

広い数の世界で遊ぶ

子供たちは現在の自分には出来なくても、将来の自分には可能なことに着いては非常に関心があります。
「2年生になったら絵の具を使うんだよ」、「4年生はリコーダを吹くんだよ」皆、将来に出来ることを楽しそうにその日がくるのを待っています。

算数の学習にも同じようなものがあると思います。まだ習っていない数の世界を垣間見、そこでの計算に触れる。その様な体験も重要ではないかと思います。
2年生の終わり頃、掛け算が得意な子が色々な掛け算の問題を出してくれと言いました。12×3などを出したあとに、もっと難しい問題を出してくれとねだりました。そこで、「35284かける」と言いますと、そんなの計算できないといいます。その後で「零」と告げますと喜んで、「零」と答えました。「0をどんな数にかけても結果は0」ということをはっきりさせるにはこの様な問題も必要だと思います。

学校での授業は習ったことを完璧に理解することを重視していて、学習した法則などを未知の数の世界に拡げる学習はあまりしません。でも、それらは児童が興味を持って学習する内容だと思います。

2万3+2
3万5百×1

この様な計算は教科書には載っていませんが、私は必要だと思います。

「円周率割る円周率」この様な問題を児童が理解できるようになればその子は論理的思考をは随分身に付けたと思います。

                               植村

物事の本質を捉える能力

多人数ではないのですが、数学にある程度関心のある学生が受けている授業で学生に聞いてみました。

「死者17人、行方不明48人」というような惨事がTVで放送されたら、惨事の程度を知るために、死者数と行方不明者数を加えた65人という数を求める習慣を身につけているかどうか。

どうも大部分の学生は、この数を求めることなく、死者数、行方不明者数という別々の2数から受けるイメージで惨事の程度を感覚的に判断しているようです。

他にも、何年間も掛けて膨大な量をこなしたという様な自慢話をする人が時々います。1日あたりを計算してみると、完全なほら話であることがすぐに判ります。

2桁の数同士の足し算や、2桁割る1桁の割り算、これらのわずかの手間を掛けることにより、物事の本質が見えてくることが往々にしてあります。

自分で考えることが大切と言いますが、そのためには簡単な計算をすることをいとわないことの重要性に気づいていない人が多いのが残念です。

                                       植村

保育所保護者へのご挨拶

幼児の実験などでお世話になっている都留市内の保育所の保護者に挨拶文を差し上げました。後家庭でできる数概念指導などを紹介しましたので、転載します。


 ○○保育所の園児の保護者の皆様、初めまして。
 都留文科大学初等教育学科で算数教育、数学に関する講義・研究をしている植村でございます。幼児の数概念はどのようなものであるかを、皆様のお子様達に実験をお願いしながら、調べております。保護者の皆様のご理解とご協力に感謝しております。

 小・中学校での算数・数学の授業が苦痛であったという方も多いかと思います。逆に、一生懸命考えた問題が解けたときは、嬉しかったという人もいらっしゃることでしょう。また、お子様が小学校入学の後、算数で苦しまないように今の段階でできることがあるなら実行してみたいと考える方も多いでしょう。その場合、まず思いつくことは、小学校での算数の先取り学習です。

 10まで、あるいは20さらには100まで、数を数えられる。
 数字の読み書きができ、2+4や3+6などの足し算の式の答えが正しく書ける。

これらではないでしょうか。私はこの学習法には疑問をもっています。


 人類が数の概念を獲得するまでには長い時間がかかっています。数を用いることなく量の多少などを判断していた長い期間があります。その期間に、人類が苦労して獲得した知識が基となって数が誕生したのです。小学校に入る前に必要なことは、数を覚えたり1年生の学習が判るというのではなく、数を発明するに至った人たちと同様に、現在の数の概念につながる体験をできるだけ多くすることと思います。

 音の回数と物の個数の関係は、乳児でも判断できるという報告があります。スクリーンの向こうで、何か物が落ちる音が2回した後、スクリーンをあげます。人形が2つある場合と、3つか1つある場合では乳児の反応が違うそうです。3つや1つの場合はびっくりして、2つの場合よりも長い間人形を見つめるそうです。落ちる音は2回だったのに、なぜ3つ(1つ)あるのだろう?

 このことを応用するだけで御家庭で幼児に多くの体験をさせることができます。
まだ数を知らないお子さんにお皿を3枚持ってきてほしいという場合、2通りの方法を紹介しましょう。ひとつは、「おじいさんの分、おばあさんの分、○○ちゃんの分のお皿を持ってきて」であり、他の一つとして「今からお母さんが手を叩いた分だけお皿を持ってきて」といって手を3回叩く方法です。

 拍数を物と対応させることも可能です。「ママが手を1回叩いたらミカン、2回はリンゴ、3回はバナナ」と決めておいて手を叩き、子どもに当てさせるゲームが考えられます。そして夕飯前に帰ってきたパパをびっくりさせるもう一つのゲームがあります。「パパ、僕はパパがママに何を言うかわかるんだよ。うそだと思ったらミカン、リンゴ、バナナのどれかをママにいってごらん。僕は絶対当てるから」、可愛い我が子からこのように言われてママに何も言わないパパはいません。そしてママは決めておいた回数だけ手を叩けばよいのです。パパもママも今日一日の疲れがすべてふっとんでしまいます。

 私はこのような、普段の生活における何気ない体験が幼児の数概念を豊かなものに作り上げていくと思っています。

                                                植村

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